鳩の種類別の特徴を紹介！被害への対策も

「最近ベランダに鳩が止まっている。巣を作られそうで心配……」

「鳩の卵を採ったら犯罪って聞いた。鳩の巣をなんとかしたいけど、どうしたら……」

鳩をはじめとする鳥獣保護管理法で保護対象になっている動物は、行政の許可なく卵や雛を捕獲してはいけません。

もし鳩がご自宅で卵を産んだ場合は、鳩の雛が巣立つまで待つか、捕獲や駆除の許可申請ができる業者に相談しなくてはなりません。

そのため鳩対策は、鳩が卵を産む前がポイントになります。

もし卵がないなら、今のうちに鳩対策を始めましょう。

そこでこの記事では、鳩の習性をもとに正しい鳩の予防や追い出し方法を解説します。

何度追い払っても戻って来る鳩も、生態がわかれば正しく予防できます。

もし鳩にお困りなら、この記事が参考になるためぜひ読んでください。

おもに日本で見られる鳩の種類と特徴

街中でよく見かける鳩は、キジバトとカワラバトです。

他には関東でシラコバトをまれに見かけます。

・キジバト
・カワラバト（ドバト）
・シラコバト

参考：福岡生きものステーション｜身近な生きもの図鑑キジバト（最終閲覧日：2025年11月12日）
参考：埼玉県｜シラコバトの目撃情報をお寄せください（最終閲覧日：2025年11月12日）

日本には10種ほどの鳩が生息していますが、鳩を取り巻く法律や対応は意外と複雑です。

鳩によって捕獲が推奨されていたり、反対に保護が奨励されていたりとさまざまだからです。

フンや農業被害を出す鳩もいれば、絶滅危惧種の鳩もいたりと種類によって状況が違うからなんですね……。

もし現在鳩でお悩みなら、害鳥駆除に詳しい害獣駆除業者や行政への相談をおすすめします。

今回は街中で見かける身近な鳩と、その鳩の対応の違いを解説します。

キジバト

分布：日本全国
くちばしから尾までの長さ：約30cm
食性：雑食性
特徴：キジのメスに似たうろこ模様の羽、首元の黒と灰色の模様
鳴き声：デーデーポッポー

市街地から山の中まで広い範囲で見かける鳩です。

早朝に「デーデーポッポー」と独特なリズムが聞こえることがありますが、あれはキジバトによるものです。

キジバトは単独か、夫婦の2羽で行動しています。

法律の話をすると、キジバトは狩猟鳥獣に指定されています。

狩猟鳥獣とは「捕獲などをしたとしても生物多様性などの観点からいちじるしい影響をおよぼさないと考えられることから、ある一定の目的下で捕獲などの対象となる鳥獣（鳥類のヒナを除く）で、法令の指定があるものをいう」とされます。

キジバトは狩猟鳥獣に指定しても、希少性・多様性などの観点からしても狩猟鳥獣に指定しても大きな影響はないと認められているため、鳩の中では現状では唯一狩猟鳥獣として指定されています

狩猟鳥獣の狩猟、キジバト含む野生の鳩の捕獲には、狩猟免許や行政の許可が必要です。
行政の許可なく野生動物・雛や卵を捕獲する行為は「鳥獣保護管理法」違反により罰せられる可能性があるため、絶対にやめてください。

参考：環境省｜鳥獣保護管理法の概要（最終閲覧日：2025年11月12日）

カワラバト（ドバト）

分布：日本全国
くちばしから尾までの長さ：約30cm
食性：おもに植物性
特徴：首全体に緑や紫の光沢
鳴き声：クックックー

カワラバトの特徴は群れを作るところで、公園に数十羽程度で集まりエサを探している姿がよく見られます。

カワラバトの羽の模様は個体によって大きく異なり、画像の柄の鳩をよく見かけますが、なかには黒っぽいまだら模様や茶色っぽい個体もいます。

首の光沢はどのカワラバトも同じため、ここで見分けましょう。

またカワラバトは現在でも愛好家が伝書鳩として飼育しているため、まれに迷子のカワラバトが見つかることがあります。

もしケガをした迷子のカワラバトを見つけたら、一般社団法人日本鳩レース協会や足輪の連絡先へ連絡してあげてください。

一般社団法人日本鳩レース協会によると「もし足環をつけたケガをして動けない鳩を見つけたら、協会や足輪の連絡先に相談してほしい。ケガがない場合は見守ってほしい」とのことです。

ペットや伝書鳩は足輪があるため、これで野生かどうか判断しましょう。

参考：一般社団法人 日本鳩レース協会｜迷い鳩かなと思ったら（最終閲覧日：2025年11月12日）

シラコバト

分布：埼玉県東部など関東の一部地域
くちばしから尾までの長さ：約30cm
食性：植物の種子、果物
特徴：他の2種に比べるとほっそりしている、首のうしろに黒い線の模様がある
鳴き声：ポーポポー

シラコバトは、埼玉県をはじめ関東の中部地域に生息している鳩です。

乱獲により数が減ったため、現在では環境省の絶滅危惧ⅠB類 （EN）「絶滅が懸念される鳥」に指定されています。

シラコバトは個体数は少ないものの、人家近くの空き地や農地付近など人の生活圏付近に生息しています。

埼玉県など自治体によっては「もしシラコバトを見かけたら保護のため、目撃情報を集めている」という地域もあります。

お住まいの地域がシラコバトの目撃情報を集めていたら、自治体に報告するとよいでしょう。

簡単に3種の鳩の生態と取り巻く環境を解説しました。

キジバトは法的な手続きを踏めば捕獲可能、一方でカワラバトはペットの可能性もありましたね。

3種以外にも国の天然記念物のカラスバトやキンバトもおり、鳩を取り巻く法律は意外と複雑です。

後半で詳しく解説しますが、もし現在鳩の被害でお悩みなら法律に詳しい害獣駆除業者や行政に相談しましょう。

では鳩の生態を見てきたところで、次は鳩の習性を見てみましょう。

鳩の習性

身近な鳩の生態を見たところで、今度は鳩の習性を見てみましょう。

・繁殖力が強い
・人を怖がらない
・縄張り意識が強い
・帰巣本能が強い

参考：東京都武蔵村山市｜野生の鳥について（最終閲覧日：2025年11月12日）
参考：環境省｜ドバト被害防止パンフレット「エサをあげないで！」（最終閲覧日：2025年11月12日）
参考：環境省｜家庭動物等飼養保管技術マニュアル（最終閲覧日：2025年11月12日）

鳩は数が多く、一度巣を作ると何度追い払っても戻ってきます。

また縄張り意識が強く、威嚇されることもあります。

それには習性が大きく関係しているため順に見ていきましょう。

繁殖力が強い

鳩は繁殖力が強く、かなり速いペースで数を増やします。

鳩は4月〜10月の間に5回ほど卵を産みます。

1回の産卵につき卵は1〜2個と少なめですが、回数が多いため1年で5羽〜10羽ほど増える計算です。

ただし暖かい地域では1年中産卵可能で産卵回数も多くなり、また生まれた小鳩も半年もすれば卵を産むため実際にはかなり速いペースで増えていきます。

また飼育下の寿命は約10年〜15年、長いと20年以上生きることもあり意外と長生きです。

このように産卵回数が多く、寿命が長いため鳩は繁殖力が強いんですね……。

人を怖がらない

キジバトやカワラバトなど、街中で見かける鳩は人を怖がりません。

理由は餌付けとカワラバトの習性によるものです。

鳩といえば公園で、エサやりしている風景を思い浮かべます。

長年餌付けされてきた鳩は人を怖がらなくなり、むしろ公園や神社などで人にエサをねだるようになりました。

またカワラバトは、伝書鳩やペット用の鳩を作るため品種改良が重ねられてきました。

人馴れした鳩ができたものの、一部が野生化し現在にいたります。

このように鳩は人馴れしているため、人の家の近くに巣を作り、何度脅しても怖がらないようになってしまったんですね。

縄張り意識が強い

鳩は縄張り意識が強く、ときに人に対しても威嚇をおこないます。

特に産卵時期など気が立っている時期に近づくと、羽を立てて威嚇行動をします。

鳩に襲われて大きなケガをする心配はまずありませんが、手を突かれたり、顔に飛びかかられたりを想像すると怖くなりますね。

また早朝に「デーデーポッポー」と、独特なリズムの鳴き声が聞こえることがあります。

じつはあの鳴き声はオスのキジバトが縄張りを主張する際や、メスに求愛する際に発しています。

鳴き声がよく聞こえるように電線や木の上に止まり「ここはオレの縄張りだ！」と敵やメスにアピールしているんですね。

帰巣本能が強い

鳩といえば、遠く離れた場所から巣に戻る帰省本能が有名です。

そのため何度追い払っても、すぐに巣に戻ってきてしまいます。

カワラバトを使った伝書鳩レースでは、約千～1,200kmの距離からでもたった2日で自分の家に戻ることができます。

鳩の帰巣本能は体内にある磁性体説や太陽の位置を目印にしている説など、いろいろな説が出ていますがはっきりしていません。

たまに「磁石を吊るすと方向感覚が狂い、鳩よけができる！」という情報を見かけます。

ですが信ぴょう性は疑わしく、よほど強い磁力を発すれば可能性はありますが、市販品の磁石を吊るした程度ではむずかしいでしょう。

このように鳩の帰巣本能は強いため、なかなか追い払えません。

以上、鳩の習性を見てきました。

簡単にまとめると「繁殖力が強く、人を怖がらず、追い払っても戻って来る」とわかりました。

このように、鳩は一度住み着くと追い出すのが大変です。

さらに法律（鳥獣保護法）の関係で卵があると、すぐに追い出し作業ができず厄介です。

そのため鳩追い出しは鳩が卵を生む前、または巣を作らないように予防することが基本です。

次でその具体策を解説します。

鳩の習性を踏まえた対策方法

鳩の習性を踏まえた、予防や追い払い方法を解説します。

・隠れ家をなくす
・障害物や忌避剤を仕掛ける
・防鳥ネットを張る

鳩や鳩の卵を行政の許可なく捕獲したり傷つけたりする行為は、法律により禁止されています。

万が一卵や雛を見つけたら巣立ってから片づけるか、行政への許可申請に対応できる害獣駆除業者に相談しましょう。

一方で捕まえず追い払ったり、予防したりするだけなら許可はいらず誰でもおこなえます。

今回は誰でも簡単にできる鳩対策を解説します。

隠れ家をなくす

まずは鳩の隠れ家をなくしましょう。

具体的には次のとおりです。

不要な物を撤去する

鳩は狭い隙間に巣を作ります。
ベランダに置きっぱなしのダンボールやストッカーなど、不要なものは撤去してください。
撤去できないものは隙間をふさぐ室外機の裏は、鳩に巣を作られやすいポイントです。
防鳥ネットやダンボールなどで隙間を埋めて、裏に入らないようにしてください。

毎日鳩の巣を警戒する

鳩は巣を作る前に何度か下見にやってきて、安全が確認できると巣を作り始めます。
人馴れしているとはいえ、頻繁に人が出入りする場所は鳩も避けます。
そこで掃除や洗濯のついでに鳩が巣を作っていないか見回れば、鳩も警戒して巣を作りづらくなります。

上記に加えて鳩のフンも探しておきましょう。

フンが落ちている場所付近は、次で紹介するスパイク（バードピン）や防鳥ネットの設置場所の参考にもなります。

巣と合わせてフンも探しておきましょう。

障害物や忌避剤を仕掛ける

鳩が止まりそうな場所に、障害物や鳩の嫌がる匂いがするものを仕掛けます。

スパイク（バードピン）

鳥や猫よけに使われる針金やプラスチックでできた、トゲトゲした障害物です。スパイクは、ホームセンターやインターネット通販で購入できます。手すり、室外機の上や鳩が巣を作りやすいベランダの四隅に設置します。

テグス

上記の画像のように、ベランダの手すりにテグスを張って鳩が止まれないようにします。
忌避剤鳩の嫌いな匂いがする忌避剤を散布します。手すり、ベランダの隅や室外機の裏など鳩が止まりそうな場所に散布します。

鳩のフンが落ちている場所付近やよく鳩がいる場所に、障害物や忌避剤をまいて鳩を追い払いましょう。

防鳥ネットを張る

ベランダ全体や庭の木など、鳩がよく来る場所を防鳥ネットで覆います。

防鳥ネットを張るコツは次のとおりです。

・隙間なく防鳥ネットを張る
・防鳥ネットがたるまないようにピンと張る
・網目が細かいほど鳥予防の効果はアップするが、風通しが悪くなり風にあおられやすくなる。鳩なら網目20mm～50mmの商品がおすすめ

参考：はとあみ本舗 株式会社（最終閲覧日：2025年11月12日）

防鳥ネットにたるみや隙間があるとそこから鳩が侵入するため、ピンと張りましょう。

もし鳩が巣を作っていても卵がなければ、鳩がいない隙に防鳥ネットを張ってしまえば追い出しができます。

鳩の追い出しを考えている方は、防鳥ネットを試しましょう。

ちなみにスパイクや防鳥ネットは、害獣駆除業者に相談すると施工が依頼できます。

マンションの高層階にお住まいなど、ご自身での施工が難しそうな場合は一度プロにご相談ください。

しかし「鳩対策なんて初めてで業者を知らない」「もうすでに産卵されてしまった……」ならアズサポートにご相談ください。

鳩対策はお任せください

鳩対策をおこなう業者が思い当たらないなら、アズサポートにご相談ください。

アズサポートはお家の困りごとに対応している会社で、鳩駆除から建物のお手入れまで幅広くおこなっています。

もしアズサポートにご相談いただければ、狩猟免許を持ったプロのスタッフが適切に対応するため、種類によってややこしい鳩の許可申請もバッチリです。

さらにアズサポートは建物のお手入れもおこなっているため、フンの掃除や除菌もおまかせください。

またご依頼いただければ、最長20年の鳩被害再発防止保証もご用意しております。

マンションのベランダ、工場・倉庫や太陽光パネルの鳩対策など、鳩にまつわるどのようなご相談も受け付けております。

まずは無料の現地調査・現地見積り※からおこないますので、お気軽にご相談ください。

※離島については別途お客様とのご相談をさせていただく場合がございます。

まとめ

鳩の生態から予防方法まで見てきました。

鳩は人をおそれず縄張り意識が強いため、追い出しが難しい生き物です。

住み着かれる前の、早めの予防が肝心です。

最後に記事のおさらいをまとめました。

・身近にいる鳩はキジバトとカワラバト鳩は繁殖力が強く、人を怖がらず、何度追い払っても戻って来る
・鳩は種類によって対応が異なり、卵や鳥の捕獲には行政の許可が必要
・すでに卵が産まれている場合は、鳩が巣立つまで待つか、許可を受けている害獣駆除業者に相談する

鳩は種類によって対応が異なるため、もし鳩の対応に悩んだら法律を熟知しているプロの害獣駆除業者か行政に相談しましょう。