害獣とは?種類と生態、被害への対策を紹介

更新日
2025.12.11
害獣とは?種類と生態、被害への対策を紹介

「ニュースで害獣と聞いたけど、具体的に何なの?」
「害獣の被害って何?」
ニュースで時折取りあげられる害獣の被害、同じ都道府県で被害があったり、自宅周辺で似たような被害があったりするとドキっとしますよね。

害獣とは、ざっくりいえば人間に被害を与える動物のことです。
なんとなく農作物を食べる被害や外来種問題のように聞こえますが、じつは火災からため池の崩壊までその被害は多岐にわたります。

害獣から身を守るには、正しい知識と正しい対処法を知ることが大切です。
そこでこの記事では、害獣に関する基礎知識を簡単に解説します。

害獣問題は動物の生態知識や法律が絡み、複雑になりがちです。
そこでこの記事ではご自宅や地域で起きやすい、身近な事例を中心にわかりやすく解説しています。
読むだけでサクッと害獣被害とその対処法がわかるため、害獣でお悩みならぜひ参考にしてください。

※本記事は2025年10月6日時点の情報をもとに作成しました。
法改正、各行政の判断により記事と情報が異なる場合がございます。
実際に駆除などを検討される場合には、必ず該当の行政機関に確認をお願いいたします。

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目次

害獣とは

害獣被害の一例農作物被害

害獣とは、一言でいえば人間に被害を与える動物という意味です。

ただし害獣の定義に法的根拠はなく、行政の判断によるところが大きいです。
例えばニホンカモシカは特別天然記念物に指定されていることから保護の対象となっているものの、所定の許可が下りれば捕獲ができます

では「どのような被害があれば害獣と呼ばれるのか?」害獣被害の特徴をまとめました。

害獣の特徴

害獣の定義はありませんが、次の被害を出すと有害鳥獣や駆除対象として行政から警戒されます。

  • 健康被害
  • 生活に影響が出る被害
  • 農林水産業への被害
  • 生態系への被害

具体例をあげつつ、害獣の特徴を解説します。

健康被害

「ネズミに噛まれて病気になった」
「毛のないタヌキに触って以来、手がかゆい」
「コウモリが住み着きストレスで不眠症……」

野生動物は病原菌を持っていることがあり、噛まれると鼠咬症などの病気になるおそれがあります。
また多くの野生動物はノミ・ダニの寄生虫に寄生されていることが多く、害虫による健康被害もあげられます。

生活に影響が出る被害

「ネズミが電気配線をかじり、漏電から火災になった」
「ハクビシンのフンのせいで天井がたわんでいる」
「屋上に住み着いたカラスが周囲のゴミ捨て場を荒らしている」

害獣のなかには民家に住み着き、建物や周囲を荒らす動物がいます。
害獣被害で多いのはフン尿による被害で、特にハクビシンなど中型の動物はフンの重さで天井が抜ける事例もあります。

また住み着いた害獣によっては火災の原因になったり、周囲を荒らしたりとご近所にも迷惑が出るおそれがあります。

農林水産業への被害

「シカが農作物を食べている」
「イタチが養鶏場のニワトリを襲撃した」
「アライグマに養殖している金魚を食べられた」

農業、林業や水産業に被害を与える動物も害獣として扱われます。
また害獣はエサの味を覚えると何度でもあらわれ、ときに群れでやってきます。
自分だけでなく周囲の同業者にも影響が出るため、地域ぐるみでの対策が必要です。

ちなみに令和5年度の野生動物による農作物被害は全国で約160億円、昨今ではシカやクマによる被害が増えています。

参考:農林水産省|農作物被害状況(最終閲覧日:2025年11月26日)

生態系への被害

「アライグマがサンショウウオを食べている」
「ヌートリアが貴重な水草を食べてしまった」
「シカが増えすぎて植物を食べつくして、他の動物がいなくなった」

在来種の生活を外来種が脅かす、在来種が増えすぎて悪影響がでるなど、生態系を崩す被害も害獣被害のひとつです。
生態系が崩れると害虫が大量発生したり、農作物の収穫高が落ちたりと人間の生活にも支障が出てきます。

動物はそれぞれ生態が異なるため、害獣によって出す被害もさまざまです。
次の章では害獣の種類と被害の特徴を解説します。

在来の害獣

ここからは被害の多い害獣を解説します。
じつは在来種と外来種(特定外来生物に指定された動物)で駆除に関係する法律が異なります。

法律の違いは外来種の項目で説明するため、まずは在来種からです。
在来種の一覧は次のとおりです。

  • ネズミ
  • コウモリ
  • ムクドリ
  • カラス
  • アナグマ
  • タヌキ
  • シカ

害獣の対策は害獣にあわせてやらないと意味がありません。
まずは被害場所、被害の内容をみて害獣の種類を特定しましょう。

ネズミ

ペストコントロール引用写真クマネズミ
出典:公益社団法人日本ペストコントロール協会|クマネズミ

ネズミは自然の中で暮らす野ネズミと人間の生活圏で暮らす家ネズミがいます。
野ネズミは農業や林業の被害が多く、家ネズミは健康被害や市民生活に影響を出します。

今回は民家での被害が特に多いクマネズミについて解説します。

※クマネズミは遺伝子解析の結果、日本に本来いなかった外来種と判明しています。生物学的には外来種ですが、クマネズミは弥生時代から生息が確認されており、ほぼ在来種として扱われています。
また特定外来生物にも指定されていないため、今回はわかりやすさ優先で在来種として解説します。

クマネズミの形態

クマネズミの体長はしっぽを含めると約20cmですが、ハムスターと同じぐらいの大きさです。
尾が体よりも長く、小さな耳が特徴です。

体が小さいため、親指(約1cm)が通るほどの隙間があればどこからでも侵入します。

クマネズミの生態

クマネズミは木登りと綱渡りが得意なため、高所移動ができます。
外壁を登って屋根から侵入したり、屋根から電気配線を渡り隣の建物に移動したりと、人目につきづらい高所を安全に移動しています。

またクマネズミは歩きながらフンをするため「棚の上など高い場所で小さなフンを見た」なら、クマネズミが住み着いている可能性が高いでしょう。

クマネズミによる被害の内容

クマネズミの被害で多いのは、ものをかじる被害です。

特にクマネズミは屋根裏を好むため、民家の被害も重篤になる傾向があります。
屋根裏には電気の配線や断熱材などがあり、クマネズミはこれらをかじってダメにします。
ときに電気配線をかじり漏電から火災を引き起こすこともあり、かなり危険です。

関連記事「クマネズミを駆除するには?予防方法や与える害を紹介」にクマネズミのより詳細な生態が記載されているため、こちらも合わせてご確認ください。

コウモリ

ペストコントロール引用写真アブラコウモリ
出典:公益社団法人日本ペストコントロール協会|アブラコウモリ

日本には30種類を超えるコウモリが生息していますが、そのほとんどは自然のなかで静かに暮らしています。
害虫を食べるため、むしろ益獣として扱う人も多いでしょう。

しかしひとたび民家に住み着くと羽音や大量のフンで住民を困らせる害獣になります。

ここでは特に民家での被害が多いアブラコウモリの生態を解説します。

アブラコウモリの形態

アブラコウモリの体長は約5cmと、先ほどのクマネズミよりも小さな動物です。
ただし羽を広げると約20cmになり、飛んでいる姿はスズメぐらいの大きさに見えるでしょう。

羽をたたむとクマネズミより小さいため、同様に親指(約1cm)が通るほどの隙間があれば簡単に家屋に浸入します。

アブラコウモリの生態

アブラコウモリは、夜行性で大量の虫を食べます。

日中は寝ていますが、日が暮れる頃と夜明け頃に狩りのために目を覚まし騒ぎ始めます。
日暮れになると田んぼや川の近く、住み着いている建物の壁に張り付いている姿が見られるでしょう。

またアブラコウモリは一晩に500匹程度の虫を食べるといわれるほど、大量の虫を食べます。
駆除が面倒な小さな虫を食べてくれるため、古くから益獣として親しまれてきました。

アブラコウモリによる被害の内容

アブラコウモリの被害は、大量のフンと騒音です。

アブラコウモリは民家の屋根裏や戸袋の中などに住み着き、そこでフン尿をします。
コウモリは毎日大量の虫を食べるためフンの量も多く、ひどいと砂山のようにうず高くなるほどです……。

またアブラコウモリは群れで生活するため、住み着かれると羽音や鳴き声の被害に悩まされます。
「コウモリの習性とは?特徴や被害内容、対策を紹介」にアブラコウモリについてより詳細な解説があるためこちらもご確認ください。

ムクドリ

害獣ムクドリ

ムクドリは北海道から九州まで広い範囲に生息している小鳥です。
さまざまな場所で見かけますが、近年では人の多い繁華街の街路樹や新興住宅地などに住み着き問題になっています。

参考:東京都環境局|ムクドリの被害状況及び対策について(最終閲覧日:2025年11月26日)

ムクドリの形態

体長は約24cm、羽を広げると約35cmになります。
全体的に灰色がかった茶色をしており、頭と尾が黒色です。
またくちばしと足が黄色く目立つため、他の鳥と見分けるポイントになります。

ムクドリの生態

ムクドリの特徴は群れでの生活です。

ムクドリは6月~10月にかけて、身を守るために一箇所に集まって眠る習性があります。
夕方になると数百~数千羽のムクドリが繁華街の街路樹などに集まり、朝になるとまた飛び立ちます。

この集団で眠る場所はねぐらと呼ばれ、子育てをする巣とは別です。

ねぐらに集まる群れの数は冬になると徐々に減っていきますが、近年では一年中ねぐらを作る地域もあります。

ムクドリによる被害の内容

ムクドリの被害はフンと鳴き声です。

夕方になると数百を超えるムクドリが毎日集まるため、周囲はフンだらけになります。
車や洗濯物にもフンの被害がおよび、雨の日には鳥のフン独特の嫌な臭いが広がります。

また鳴き声もうるさく民法テレビ局が測定したところ、ゲームセンター相当の80dBの騒音がするとの結果もでました。

街路樹の剪定やムクドリが嫌う音や光を出すなど、各自治体でさまざまな対策が取られています。

カラス

ペストコントロール引用写真ハシブトガラス
出典:公益社団法人日本ペストコントロール協会|ハシブトガラス

人間の生活圏でよく見かけるカラスは、ハシブトガラスとハシボソガラスの2種類です。
どちらもゴミを荒らし、農作物を食べる被害を出しますが、住宅街での問題行動が多いカラスはハシブトガラスです。

そのためハシブトガラスの生態を中心に解説します。

参考:環境省|自治体担当者のためのカラス対策マニュアル Ⅰ基礎・現状編(最終閲覧日:2025年11月26日)

カラスの形態

ハシブトガラスの体長は約60cmです。
ハシボソガラスの体長が約50cmのため、ハシブトガラスのほうが少し大きいのが特徴です。

またハシブトガラスのくちばしは太く湾曲していますが、ハシボソガラスのくちばしは細くまっすぐです。

カラスの生態

ハシブトガラスは森で暮らす鳥でしたが、現在では都会の生活に適応しました。

山にいるハシブトガラスは高い木に巣を作り、木の実や動物の死骸を食べて暮らしています。

しかしハシブトガラスは都会での生活に適応してしまい、木の代わりに電柱に巣を作り、エサをとる代わりに生ゴミを食べるようになりました。

カラスによる被害の内容

ハシブトガラスの被害で多いのは、生ゴミをあさる被害です。

ハシブト・ハシボソガラスはどちらも雑食性でなんでも食べますが、好みが異なります。
ハシブトガラスは肉類を好み、ハシボソガラスは農作物や昆虫類を好むため被害の出方が違います。

どちらのカラスもゴミや農作物に被害を出しますが、好みの違いからハシブトガラスのほうが生ゴミ被害が多く問題になっています。

ゴミを出す日を守る、ゴミに防鳥ネットをかけるなど地域ぐるみでの対策が必要です。

アナグマ

害獣アナグマ

アナグマは、古くから日本にいるタヌキによく似た中型の動物です。

よくある被害は農作物を荒らしたり、床下に住み着いたりする被害です。
タヌキとよく誤認されがちですが、生態が異なるためアナグマ用の対策が必要になります。

参考:農林水産省|アナグマ(最終閲覧日:2025年11月26日)

アナグマの形態

アナグマは、体長約40cm~80cmの中型の動物です。
サイズだけで考えると中型犬(約40cm)ぐらいの体長ですが、体高が低いため大きなネコのようにも見えます。

似た動物にタヌキやハクビシンがいますが、目の周りの黒い模様と鼻筋の白い模様が特徴です。

アナグマの生態

アナグマは名前のとおり、穴掘りが得意な動物です。

山にいるアナグマは斜面などに穴を掘って、その中で暮らしています。
またアナグマは雑食性で、果物や土の中のミミズや昆虫を食べています。

ミミズや昆虫を探す際には地面に穴を掘って移動を繰り返すため、地面に5cm程度の穴が点々と続いていたらアナグマがエサを探したあとかもしれません。

反面木登りは苦手なため、木登りが得意なハクビシン・アライグマのように天井裏に住み着くことはありません。

アナグマによる被害の内容

アナグマは野菜や果物を狙って人の生活圏にあらわれ、農作物を荒らします。

畑にトタンやブリキ・針金でできた電気柵が設置されているのを、見たことはありませんか?
柵は害獣から畑を守るために設置されていますが、アナグマは穴掘りが得意なため柵の下を掘って畑に侵入します。

さらにアナグマが堀った穴から他の害獣が侵入することもあり、アナグマのせいで別の害獣被害を呼ぶこともあります。

そのため深めに柵を設置する必要があります。

タヌキ

害獣タヌキ

タヌキはおもに北海道に生息するエゾタヌキと本州に生息するホンドタヌキがいます。
今回は数の多いホンドタヌキについて解説します。

タヌキは昔話によく登場するとおり、日本で古くから愛されている動物の1匹です。
しかし近年では農作物を荒らしたり、疥癬(かいせん)という病気の媒介者になったりが問題になっています。

参考:長崎県|タヌキの生態と対策について(最終閲覧日:2025年11月26日)

タヌキの形態

ホンドタヌキの体長は約50cm~60cm、歩いている姿はずんぐりとした小型・中型犬に似ています。

またタヌキの見た目は、アナグマ、アライグマやハクビシンと似ています。
しかしアナグマのように深い穴を掘ったり、アライグマやハクビシンのように屋根に登ったりはしないため、被害を見るとある程度見分けがつくでしょう。

タヌキの見た目の特徴としては丸みを帯びた単色のしっぽがあげられるため、注目してみましょう。

タヌキの生態

タヌキの生態で有名なのは、ためフンです。

タヌキはためフンという、一箇所にフンを溜める習性があります。

ためフンはタヌキたちの情報交換に使われていると考えられ、複数のタヌキが同じ場所でフンをしてきます。

フンは大きく、一見すると犬のフンのようです。
もし敷地内にフンが集まっていた場合、複数のタヌキの通り道になっている可能性があります。

タヌキによる被害の内容

タヌキによる被害は農作物を荒らす被害の他、疥癬があげられます。

疥癬とは野生動物になどに寄生している、ヒゼンダニが原因でおきる皮膚病のことです。
疥癬に感染すると皮膚が灰色っぽく固くなり、強いかゆみが症状としてでます。

疥癬はタヌキに限らず他の野生動物でも見られますが、タヌキは住宅街で目撃されることも多く全国の自治体で注意喚起がなされています。

疥癬にかかったタヌキは毛が抜け落ちて、皮膚が固くなっているため、見つけても近づかないでください。
速やかにお住いの市区町村にご相談ください。

シカ

ペストコントロール引用写真シカ
出典:公益社団法人日本ペストコントロール協会|シカ:別荘地を荒らしている

日本には在来種のニホンジカと、ニホンジカの種類を細かく分けた亜種が生息しています。
亜種には北海道のエゾシカや屋久島のヤクシカなどがおり、大きさや見た目が異なります。

今回は本州にいるニホンジカ(ホンシュウジカ)について解説します。

参考:長野県|ニホンジカ対策の基礎知識(最終閲覧日:2025年11月26日)
農林水産省|第4章 シカの生態と被害対策(最終閲覧日:2025年11月26日)

シカの形態

ニホンジカは体長約100cm~160cm、体重は約40kg~70kgと大型の動物です。
オスには角があり、メスには角がありません。

シカは大型の動物ですが狭い場所も通り抜けができ、約30cmの隙間があればオスのシカでも通り抜けができます。
おおよそ半分に折った新聞紙ぐらいの隙間があれば、畑の柵、門扉や電気柵でもすり抜け侵入できるということです。

シカの生態

ニホンジカの特徴は、増えやすさと群れでの生活です。

ニホンジカの出産は早く、1歳半頃から出産できるようになります。
生まれた小鹿も1年半経てば子供を産めるようになるため、かなり早いペースで増えるでしょう。

またニホンジカは、群れで生活しています。
多いと数十頭の群れになることもあり、集まれば集まるほどその地域の被害は大きくなります。

シカによる被害の内容

ニホンジカは毒のない植物ならなんでも食べるといわれるほど、食欲旺盛です。
普段は若葉や下草などを食べていますが、食料がなくなると樹木の皮をはいで食べてしまいます。

そのため林業で植林した苗木、果樹園の果物、果樹や農家の野菜まで、広い範囲で被害をだしています。
また天然記念物の植物を食べたり、他の動物や昆虫のエサまで食べつくして生態系がくるってしまったりと、自然下でもさまざまな影響が出ています。

防ごうにも柵の隙間から侵入し、低い柵だと飛び越えてしまうため防ぐのが厄介です。
もし被害を目撃したら行政に報告し、地域ぐるみで対策しましょう。

在来種の害獣の解説は以上です。
次は外来種です。

外来の害獣

外来種は法的な定義はありませんが、一般的にその地域にはいなかったが人間の活動にともない持ち込まれた動物を指します。

害獣駆除では、特定外来生物の指定が駆除の方法に関わってきます。
特定外来生物とは概要をまとめると「生態系、農林水産業や人間の生命活動などに関わる海外原産の動植物を法的に指定したもの」です。

この特定外来生物に指定されると、いくつか禁止事項が増えます。
規制の一例を出すと「許可なく生きたままどこかに移動させてはいけない」などです。

外来種=すべての動物が特定外来生物というわけではないため、特定外来生物の指定があるかどうかも含めて解説します。

参考:環境省|どんな法律なの?(最終閲覧日:2025年11月26日)

  • アライグマ
  • ハクビシン
  • シベリアイタチ
  • ヌートリア

アライグマ

害獣アライグマ

アライグマは1960年代に動物園から12頭が脱走、または一般住宅でペットとして飼われていたアライグマが逃げ出し繁殖しました。
現在では北海道から沖縄県まで、広く分布が確認されています。

特定外来生物にも指定されており、速やかな対処が求められています。

アライグマの形態

アライグマの体長は、40cm~60cmほどです。
おおよそ中型犬ぐらいの大きさで、ずんぐりとした体型です。

特徴はしっぽの白い輪のような模様です。

アライグマの生態

アライグマの特徴は、手先が器用なことです。

アライグマの足跡を見ると5本指で、小さな人の手のように見えます。
多くの害獣は犬やネコの肉球のような足跡が多いため、ここが大きな特徴です。

手先が器用なため雨どいをつかんで屋根まで登ったり、簡単な戸のカギなら開けたりといろいろな場所に侵入します。

アライグマによる被害の内容

アライグマの被害でよく聞かれるのは、民家に住み着く被害と農作物被害です。

アライグマは木登りが得意なため屋根に登り、天井裏に住み着いてそこをねぐらにします。
そして夜になると動き出し周囲の畑やゴミをあさりに出かけます。

アライグマの被害、防ぎ方は「アライグマとは?見つけた時の対応やよくある被害を紹介」で詳しく解説しているため、こちらもあわせてご確認ください。

ハクビシン

害獣ハクビシン

ハクビシンは本州を中心に分布している、動物です。
2000年頃まで外来種か在来種かはっきりせず議論されていましたが、遺伝子解析の結果外来種であるとわかりました。

ただ今のところ特定外来生物には指定されていません。

ハクビシンの形態

ハクビシンは体長60cmほど、しっぽまで含めると1mを超える動物です。
意外と大きな動物ですが、細長い体型のため走っている姿は大きなネコのように見えます。

タヌキやアライグマとよく誤認されますが、細長い体としっぽ、顔の中心をとおる白い模様で見分けがつきます。

ハクビシンの生態

ハクビシンは、木登りと綱渡りが得意です。

ハクビシンは電柱に登り、細い電線を渡る姿が住宅街でたびたび目撃されるほどです。

そのため電柱から屋根裏に侵入、屋根裏に住み着いたり、電線を使い安全に移動したりと広範囲を移動します。

ハクビシンによる被害の内容

ハクビシンが家屋に住み着くと、フン尿をする被害を出します。

ハクビシンはタヌキ同様ためフンをし、犬のフンに似た大きさのフンをします。
大きなフンが一箇所にたまるため、天井板がたわんだり、ときには抜けたりするほどです……。

もし天井裏が抜けると駆除とは別に建物の修繕・清掃費用が発生するため、早めの対策が必要です。

「ハクビシンとは?被害を防ぐ対策を紹介」に対処法が詳しく記載されているため、気になる方はそちらもご確認ください。

シベリアイタチ

ペストコントロール引用写真イタチ
出典:公益社団法人日本ペストコントロール協会|イタチ

日本のイタチには、在来種の二ホンイタチと外来種のシベリアイタチ(チョウセンイタチ・タイリクイタチ)がいますが、被害・生態はほぼ同じです。

大きな違いは分布域で二ホンイタチは全国、シベリアイタチは西日本に集中しています。
もし西日本で被害があればシベリアイタチそれ以外の地域であれば二ホンイタチによる被害でしょう。

今回は西日本で被害の多いシベリアイタチについて解説します。
ちなみにシベリアイタチは特定外来生物には指定されておらず、一部地域のシベリアイタチは在来種扱いになるなど、扱いが少し難しい動物です。

シベリアイタチの形態

シベリアイタチの体長は、約30~40cmです。
特徴は長いしっぽで、おおよそ体の半分をしっぽがしめます。

補足として二ホンイタチはしっぽが短く、しっぽの長さは体の3割~4割程度しかないため見分けるポイントになります。

シベリアイタチの生態

シベリアイタチは自然の多い場所から繁華街までに出没し、広い範囲で被害を出します。

イタチといえばなんとなく山にいるイメージですが、近年では住宅街にも出没します。

イタチは雑食性でなんでも食べるため、繁華街ではゴミをあさり、農村地帯では農作物を荒らします。

他にもイタチが養鶏場のニワトリや飼育している魚類を食べる被害もあり、農業から養鶏、水産業まで広く被害を出しています。

シベリアイタチのによる被害の内容

シベリアイタチの被害は、とにかく臭いことです。

イタチはためフンの習性があり、フン尿は水っぽく強いアンモニア臭がします。
天井裏に住み着かれると、天井にシミがつくことがあるほどです……。

さらにイタチは危険が迫ると、スカンクのように臭い屁をして逃げます。
俗に言う「イタチの最後っぺ」ですが、うっかりイタチを追い詰めてしまうと室内で臭い屁をされるかもしれません。

関連記事「イタチとは?もたらす害や対策を紹介」でシベリアイタチ対策を解説しているため、こちらもご確認ください。

ヌートリア

害獣ヌートリア

ヌートリアは、南米原産の水辺で暮らすネズミです。
簡単に生息域を紹介すると、中部~関西地方に生息しています。
ただし冬に長期間水辺が凍るような地域では、見かけません。

ヌートリアは在来の植物を食べて、農作物にも影響を与えるため特定外来生物に指定がされています。

参考:環境省|特定外来生物ヌートリア(最終閲覧日:2025年11月26日)
農林水産省|ヌートリア(最終閲覧日:2025年11月26日)

ヌートリアの形態

ヌートリアは体長約40cm~60cmとかなり大きく、しっぽまで入れると体長1m近くなります。

またヌートリアの後ろ足には水かきがあり、特徴的な足跡になります。
10cmを超える大きな足跡に水かきがあれば、ヌートリアの可能性が高いです。

ヌートリアの生態

ヌートリアは、水辺で暮らす草食獣です。

基本は水辺の植物を食べて生活していますが、与えればニンジンなどの野菜類も食べます。
また水辺の近くに巣穴を掘り暮らしており、その巣穴は長くときに5mを超えるほどです。

ヌートリアによる被害の内容

ヌートリアの被害で多いのは、おもに稲への被害です。

ヌートリアは水辺の植物を食べるため、川やため池の近くにある田んぼの稲を食べてしまいます。
またヌートリアが育った稲をなぎ倒すこともあり、稲が倒れて育たなくなる被害もあります。

さらに問題なのは、ヌートリアが掘る巣穴です。
長い巣穴を掘るため田んぼのあぜだけでなく、ため池や用水路が決壊することもあります。

管理者不在の用水路やため池で決壊被害が出始めているため、見回りなどで被害が少ないうちに対策することが重要です。

簡単に在来種と外来種の害獣をみてきました。
もし害獣がでたら、被害の少ないうちに早めの対策が重要です。

放置するほどフン被害が増える、子供の数が増えると被害が広がりやすくなるため、気が付いたらすぐ対策しましょう。
では次の章で害獣が出た際にやるべきことを解説します。

害獣が出たときにまずやるべきこと

害獣の被害でやるべきこと

害獣が出た際にやるべきことは、次の3つです。

  • 害獣の特定
  • 農林水産業・公共の被害は行政に連絡
  • 敷地内の被害は害獣駆除業者に連絡

害獣の特定ができれば対策が取りやすくなります。
しかし特定ができない場合は、被害の写真やフンの場所などを行政や害獣駆除業者に伝えて特定を任せてもよいでしょう。

害獣の特定

害獣は種類によって、法律や対策が異なります。
自分で害獣を駆除する場合も、行政や業者に頼む場合も種類を特定しておくと動きやすいため、まずは害獣の種類を特定しましょう。

法律的な違いの一例を出すと、害獣を捕獲した場合逃がすか、自分で処分するかの選択を迫られます。

在来種のタヌキなどを捕獲した場合、行政によっては逃がすように指示があります。
しかし特定外来生物のアライグマは逃がすことが禁止されており、自分で駆除するか許可をえているプロか行政に引き渡す必要があります。

※野生動物の捕獲は、行政の許可が必要です。行政の許可なく在来種・外来種問わず捕獲するのはやめてください。また放獣の判断は各地自治体で異なる場合があります。

他にもカラスなら防鳥ネット、ネズミやコウモリなら隙間をふさぐ、と適した対策も異なるため害獣の特定は、害獣駆除の第一歩です。

まずは害獣の種類を特定しましょう。

農林水産業・公共の被害は行政に連絡

「カラスがゴミをあさっている」
「うちやご近所の畑をシカが荒らしている」
「住宅街で毛のないタヌキを見かけた」

農林水産業・公共の害獣被害は行政に相談しましょう。
多くの行政では農林水産業や市民生活への被害防止のために、害獣の情報収集や職員による捕獲などをおこなっています。

また自治体にもよりますが、農林水産業向けの害獣被害防止のための補助金制度を実施しているところもあります。

ちなみに民間の害獣駆除業者は、土地の管理者の許可がないと施工ができません。
そのため先に行政に相談したほうがスムーズです。

農林水産業・公共の害獣被害を見つけたら、まずはお住いの市役所など役場に相談しましょう。

住宅や施設内の被害は害獣駆除業者に連絡

「家の中でネズミのかじり跡を見つけた」
「屋根裏にコウモリが住み着いた」
「倉庫にアライグマが住み着いた」

敷地内の害獣被害は、民間の害獣駆除業者に相談しましょう。

行政に敷地内の害獣駆除を相談すると、ほとんどの場合地元の業者が紹介されて終わります。
一部地域では敷地内に出たアライグマなど特定の害獣を捕獲してくれますが、汚された家屋の清掃などその他の作業は自分でおこなわなくてはなりません。

敷地内だと農林水産業と違い補助がないため、ここが大きく違いますね。

害獣駆除業者に相談すれば、害獣の駆除から清掃、再発防止の工事まですべて任せられるため安心です。

害獣駆除業者は行政に紹介してもらうことも可能ですが、お急ぎであればアズサポートのご利用もご検討ください。

害獣駆除はお任せください

害獣の被害はアズサポートにご相談ください

ご自宅に害獣が出てお困りなら、アズサポートにお任せください。

アズサポートは、建物の困りごとを解決する事業をおこなっています。
害獣・害鳥駆除もそのひとつで、ご依頼いただければすぐに現場に伺い無料の現地調査をおこないます。

※離島については別途お客様とのご相談をさせていただく場合がございます。

またアズサポートは、建物の困りごとに広く対応しています。
そのためネズミにかじられた電気配線の工事やイタチに汚された家屋の清掃、害獣についていたノミやダニの害虫駆除もバッチリです。

さらに一般家屋だけでなく、飲食店、工場や倉庫の害獣・害鳥対策にも対応しているためお気軽にご相談ください。

害獣・被害でお困りならアズサポートにご連絡ください。

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まとめ

最後に簡単に今回の記事をおさらいをして終わります。

  • 害獣に法的な決まりはないが、簡単にまとめると人間や生態系に被害を与える動物のこと
  • 農林水産業・公共の場で害獣被害を見つけたら行政
  • 敷地内で害獣被害を見つけたら害獣駆除業者

害獣被害は、放置すればするほど被害がひどくなります。
ハクビシンのフン被害で天井が抜けたり、ネズミに配線をかじられて家電が動かなくなったりと、さまざまな被害につながるため気が付いたときが駆除のチャンスです。
「もしかして?」と違和感を感じたら、早めに行政や害駆除業者のプロに相談しましょう。

執筆・監修者

藤澤 隆太郎
アズサポート株式会社 害獣・害虫事業部 取締役部長
藤澤 隆太郎

害虫駆除、害獣駆除、鳥害対策の現場に立ち続けて10年超のプロフェッショナル。 保有資格は、しろあり防除施工士、防除業作業監督者、職長・安全衛生責任者教育と、シロアリ駆除やねずみ・ハクビシン・アライグマなど害獣駆除関連の資格を保有。駆除して終わりではなく、大切な「家」を守るために手厚いアフターフォローで末永くお客様とお付き合いできる関係を築いている。

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