ネズミの生態、被害や対策を解説
- 更新日
- 2025.12.11

「小さなフンやかじり跡……これってまさかネズミ?」
「天井裏や壁から足音や物音が聞こえる…」
一般住宅に出現するネズミは、次の3種類です。
クマネズミ:天井裏によく出る
ドブネズミ:床下によく出る
ハツカネズミ:倉庫など野外に近い場所によく出る
この3種のなかで、一般住宅ではクマネズミの被害が特に多いです。
「屋根裏の配線がかじられ、足音がしている」「高所から床上まで、家のいたる所にフンが落ちている」ならクマネズミの仕業でしょう。
ネズミの被害は対策しない限り収まらないため、もしネズミが疑われる場合は早めに対応しましょう。
この記事では簡単にネズミを見分ける方法から、効果的なネズミ駆除の方法までまるっと解説します。
この記事では、おもに一般住宅で起きやすいネズミ被害を解説しています。
読めばご自宅のネズミのお悩みも解決するため、ぜひ参考にしてください。
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目次
ネズミの3つの種類と生態
一般住宅に出るネズミは、3種類です。
- クマネズミ
-
一般住宅でもっとも被害が多い。
高所移動は得意だが、泳ぎは苦手。 - ドブネズミ
-
水辺を好むため、下水やビルの低階層の被害が多い。
泳ぎは得意だが、高所移動は苦手。 - ハツカネズミ
-
自然の多い場所に生息し、倉庫や田畑を荒らす。
高所移動が得意で、わずかな隙間からも忍び込む。
それぞれ出現場所でおおよその種類が特定できます。
より正確にネズミの被害や種類を特定するために、これから3種類のネズミの生態を解説します。
クマネズミの生態
出典:公益社団法人日本ペストコントロール協会|ネズミ クマネズミ(最終閲覧日:2025年11月24日)
クマネズミは一般住宅で被害の多いネズミです。
身体能力:綱渡りや垂直方向の上り下りが得意
出没場所:屋根裏や棚の上など高所
フン:1cmほど、黒く細長い
寿命:約3年
クマネズミは山の中から都市部まで広く生息し、一般住宅での被害がもっとも多いネズミです。
クマネズミの特徴は、身体能力が高くどこにでもあらわれる点です。
パイプをつかい屋根の上に登ったり、配線ケーブルをわたって隣の建物に移動したりと広範囲を移動します。
家の中でも床の上から棚の上までいたるところを歩き回り、歩いた場所にフンを落としていきます。
もし棚の上や屋根裏など高所でネズミのフンを見つけたら、クマネズミでしょう。
ドブネズミ種類の生態
出典:公益社団法人日本ペストコントロール協会|ネズミ ドブネズミ(最終閲覧日:2025年11月24日)
身体能力:泳ぎが得意
出没場所:床下や飲食店の厨房
フン:1cmを超える、太く先がとがっている
寿命:約3年
ドブネズミは、一般住宅や飲食店の厨房などによく出るネズミです。
泳ぎが得意で湿気を好むため、野外では下水や排水溝でよく姿を見ます。
泳ぎが得意な反面、高所はあまり好まず、被害は湿気の多い床下やビルの場合は低階層にとどまります。
また体が大きく力が強いため、粘着シートを仕掛けても力づくで逃げ出すことがあります。
ハツカネズミの生態
出典:公益社団法人日本ペストコントロール協会|ネズミ ハツカネズミ(最終閲覧日:2025年11月24日)
身体能力:高所移動ができ、わずかな隙間からも侵入する
出没場所:倉庫や田畑など自然に近い場所
フン:5mmほど、両端がとがっている
寿命:約1年~1.5年
ハツカネズミは都市部では、あまり見かけないネズミです。
ただし自然の多い場所によく出現し、倉庫や田畑などを荒らします。
ハツカネズミは体長10cmほどと小さく、一般的な大きさのハムスター(約20cm)よりも小さなネズミです。
そのため人差し指が通るほどの穴(約1cm)であれば、簡単にすり抜けて建物内に侵入します。
さらにハツカネズミは高所移動もできるため、エアコンダクトなど高所に開けられた隙間からも侵入します。
関連記事「ネズミの種類と特徴、対策を紹介」にはより詳細なネズミの特徴が記載されているため、気になる方はこちらもご確認ください。
簡単にネズミの特徴を解説しましたが「フンらしきものを見つけたが、よくわからない」「本当にネズミがいるか自信がない」という方も多いでしょう。
次の章でネズミが出す被害を解説します。
被害を見ればネズミがいるかどうかわかるため、確認してください。
ネズミが与える害

ネズミが与える害は、農業被害や風評被害などさまざまです。
一般住宅にあらわれたネズミは、次のような被害を出します。
- 配線をかじる
-
電気配線をかじり家電を故障させます。
またショートした配線から火災になった事例もあります。 - 家の中が臭くなる
-
ネズミは歩きながらフン尿をするため、通った場所がアンモニア臭くなります。
またネズミの死骸を放置すれば、腐って悪臭を放ちます。 - 家具や住宅設備をかじる
-
ネズミはものをかじる習性があり、家具や住宅設備もかじります。
電気配線や断熱材をかじり、家屋に深刻な被害を与えるケースもあります。 - 体調不良になる
-
ネズミに寄生している、イエダニやノミによる皮膚炎が挙げられます。
他にも悪臭によるストレス、音による不眠、フンが食品に混入して食中毒の症状が出る方もいます。
監修者コメントネズミ被害で多いものは、断線(コードかじる)と断熱材をボロボロにすることです。
種類別だと屋根裏に登れるクマネズミの被害が、重くなりがちです。
反対に床下には壊せるものが少ないため、ドブネズミの被害は少なめです。
ネズミはケーブル類をかじるため、かじられると火災につながります。
例えば2023年に住宅10軒が焼ける火事が発生しましたが「原因はネズミが配線をかじったことによる漏電ではないか」といわれています。
参考:youtube|khb東日本放送「ネズミが配線をかじって漏電し火事に ネズミ被害の対策を聞く」(最終閲覧日:2025年11月24日)
またネズミには、イエダニが寄生していることがあります。
イエダニは危険なため、少し詳しく解説します。
イエダニとは
イエダニは、ネズミや鳥などの野生動物に寄生しているダニです。
イエダニはネズミに寄生していますが、宿主のネズミがいなくなると人間を吸血することがあります。
大きさ:0.7mm
症状:かゆみが3日ほど続く
出現場所:ネズミの体、ネズミの巣
参考:福岡市東区|すまいのダニ退治(最終閲覧日:2025年11月24日)
イエダニの大きさは、大体ボールペンの太さと同じぐらいです。
紙に点を書くとその小ささがわかりますが、これを肉眼で探し出して駆除するのは困難です。
ネズミの巣やネズミが通った場所に、イエダニが落ちていることが多いため要注意です。
見つけづらいイエダニですが掃除機で吸い取れるため、気になる場所にかけておくと安心です。
ただしイエダニ駆除は宿主のネズミを先に駆除しなくては、意味がありません。
ネズミを駆除してから、イエダニの駆除を考えましょう。
ネズミを予防できれば、イエダニをはじめとする二次被害も予防できます。
次の章でネズミが好まない環境を解説します。
ネズミが好まない環境を作る方法


ネズミは、隠れ場所が多く、エサが多い場所を好みます。
つまり反対の隠れ場所が少なく、エサの少ない場所にすればネズミ予防につながります。
- ネズミのエサをなくす
- 隠れ場所をなくす
- 侵入口をふさぐ
大変そうですがおこなうことは、掃除と整理整頓がメインです。
掃除の際に少し気を使うだけで、ネズミ予防につながるため試してみましょう。
ネズミのエサをなくす
ネズミは人間の食べ物のほか、さまざまなものを食べるため出しっぱなしにせずに片づけてください。
ネズミ被害にあいやすい食べ物は次のとおりです。
- 人間の食べ物
- 生ゴミ
- ペットのエサ
- 仏壇のお供え物
- 観葉植物の花や肥料
食べ物は正しく保管、食べこぼしはこまめに掃除をして捨てましょう。
また植物は花や葉が被害に遭う他、肥料に使われている油かすや魚粉も食べられます。
掃除がてら被害にあっていないか、植物も確認してください。
隠れ場所をなくす
ネズミの隠れ場所を取り除くため、不用品を整理しましょう。
不用品を取り除く目的は次の2つです。
- 移動経路を断つため
-
ネズミは身を隠しながら移動するため、物が多いと移動がしやすくなります。
ものを出しっぱなしにせずに、きちんとしまいましょう。 - 巣材をなくすため
-
ネズミは巣材に古紙類や布類を使います。
タオルやダンボールをかじるおそれがあるため、保管の際にはストッカーを利用しましょう。
またいらない古紙はこまめに捨てましょう。
ネズミはどこにでも入り込むため「気がついたらネズミの巣だった!」ということもあります。
使っていない布団の入っている押入れ、服をしまいっぱなしのクローゼットはネズミが巣を作ることもあります。
不用品はしまいっぱなしにせず、収納に風を通すついでに被害を確認しましょう。
侵入口をふさぐ
ネズミは外からやってくるため、侵入口をふさぎます。
ネズミの侵入口をふさぐ工事を防鼠工事といい、次のような場所におこないます。
- 床下通気口や換気扇の隙間:金網を貼る
- 外壁のひび割れやエアコン・配線の引き込み口:パテでふさぐ
- 配管の隙間:金たわしを詰める
参考:東京都目黒区|ネズミの被害を防ぐために! (最終閲覧日:2025年11月24日)
注意点はネズミを駆除してから防鼠工事をおこなうことです。
住宅内にネズミがいる状態で防鼠工事をおこなうと、ネズミを閉じ込めてしまいます。
ネズミ駆除をおこなってから、防鼠工事をしましょう。
また上記以外の窓や玄関などふさげない場所からネズミが侵入している場合は、ネズミが嫌がる成分が入った忌避剤使った商品もあります。
他にも超音波やフラッシュライトを使った商品などインターネット通販で購入できるため、あわせて使ってみてください。
またクマネズミやハツカネズミは、高所移動が得意なためケーブルを綱渡りしたり、屋根の上を歩き回ったりします。
天井裏などの高所も忘れずに点検しましょう。
ただ自分で防鼠工事をするのは、不安がある方も多いと思います。
じつは防鼠工事はプロでも大変な作業のひとつです。



ネズミ捕りで一番大変だと感じる作業は、穴埋めです。
家中の小さい穴をシラミ潰しにおこなうため、物理的に大変です。
また掃除も同様に大変だと感じています。
自分でおこなう防鼠工事に不安がある方は、お近くのネズミ駆除業者にご相談ください。
次の章でネズミ駆除の方法を解説します。
ネズミを駆除する対策


ネズミの駆除方法はおもに3つ、それぞれ特徴が異なります。
それぞれメリットとデメリットがあるため、確認してから使いましょう。
- 粘着シート
-
特徴:ネズミを捕らえる強力な粘着シート
メリット:1枚100円~200円でリーズナブル
デメリット:ネズミの通り道に置かないと効果がない - かご罠
-
特徴:仕掛け踏むと入口が閉まるかご状の罠
メリット:頑丈で大きなネズミもしっかり捕らえられる
デメリット:1個数千円程度と高く、数を仕掛けづらい - 殺鼠剤(さっそざい)
-
特徴:ネズミを駆除するための薬剤
メリット:仕掛けておくだけでネズミ駆除ができる
デメリット:ネズミの死骸を探す手間がかかる
これらのネズミ駆除の道具は、「捕獲するグッズ+殺鼠剤」の組み合わせで使用するのがおすすめです。
というのも、捕獲と薬剤処理のネズミ駆除方法はメリットとデメリットがあるため、それを補えあえるからです。
具体的にいうと、殺鼠剤はネズミがどこで死んでいるかわからないというデメリットがありますが、粘着シートを併用することで殺鼠剤を食べて弱ったネズミをキャッチすることができる、というイメージです。
他にも「ネズミの駆除方法は?正しい対策を知ってネズミを退治しよう」にはネズミ駆除のコツや注意点が記載されています。
現在ネズミでお困りなら、こちらも合わせてご参考ください。
自分でネズミを駆除する場合は、ネズミの死骸も自分で始末しなくてはなりません。
というのも死骸を放置すると腐ってうじ虫が湧くので、早めに処理してください。
処理方法を次で解説します。
ネズミの死骸を処理する方法
ネズミの死骸を処理する方法は、2つです。
可燃ゴミに出すか、地面に埋めるかです。
- 可燃ゴミに出す
-
家庭等で出た動物の死骸は一般廃棄物に分類されるため、家庭ゴミとして処分します。
粘着シートは粘着面を折りたたんで、ゴミ袋に入れてください。 - 地面に埋める
-
庭があるご家庭なら、土に埋めて処分します。
公園など敷地外に埋めるとトラブルになるため、あくまで自分が所有する土地に埋めてください。
ネズミをはじめ動物の死骸は、基本可燃ゴミ扱いです。
そのため通常は家庭ゴミで処分すれば問題ありませんが、あまりにも数が多い場合や敷地外で見つけて対処に困るケースもあります。
そういう場合は、清掃事務所や業者に相談しましょう。
どこに相談したらいい?
もしネズミの死骸の処理で迷ったら地元の清掃事務所、清掃業者やネズミ駆除業者にご相談ください。
ざっくり違いを説明すると、次のとおりです。
- 地元の清掃事務所
-
家庭ゴミの出し方を各自治体のルールに基づき教えてくれるため、ネズミの死骸の処理も教えてくれます。
また道路や私有地以外でネズミの死骸を見つけた場合、清掃事務所が相談に乗ってくれます。 - 清掃業者
-
家の清掃をおこなっている清掃業者に相談すると、ネズミをはじめ家庭等ででる動物の死骸は、一般廃棄物に分類されます。
またフン尿や荒らされた断熱材の処分など、家屋の清掃も依頼できます。
清掃業者はリフォーム事業をおこなっているところも多いため、防鼠工事も依頼できるでしょう。 - ネズミ駆除業者
-
ネズミに関する困りごと全般を引き受けているため、ネズミの死骸処理の相談もできます。
ネズミ調査~駆除はもちろん、ネズミに荒らされた家屋の清掃・修繕や防鼠工事も一括で依頼できます。
清掃事務所以外、ネズミの死骸の処理を代わりにやってくれます。
清掃業者、ネズミ駆除業者は費用はかかりますが、死骸の処分と家屋の清掃まで頼めるため手間はかかりません。
ネズミ駆除業者は無料のネズミ点検をおこなう業者も多いため「自分でネズミを駆除したが残っていないか見てほしい」という依頼もできます。
もし業者に心当たりがないという方は、アズサポートにご相談ください。
害獣駆除はお任せください


ネズミに関するご相談は、アズサポートにお任せください。
アズサポートは、住まいの問題を解決する事業をおこなっています。
アズサポートではネズミの駆除はもちろん、次のような事業をおこなっています。
- ネズミの無料調査※
- ネズミに汚された建物の清掃、除菌、消臭
- 防鼠工事
- ダニ、ノミやゴキブリなどの害虫駆除
- 電気配線工事
- 断熱材の張替え
※離島については別途お客様とのご相談をさせていただく場合がございます。
ネズミの被害は多岐にわたり、家のいたる所に被害を出します。
しかしアズサポートは住まいの困りごと全般を解決する事業をおこなっているため、どのようなネズミ被害にも広く対応できます。
「とりあえずネズミ調査をして欲しい」「ネズミの死骸や清掃を任せたい」なら、ぜひアズサポートにご連絡ください。
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まとめ
ネズミの種類や被害など、生態を見てきました。
記事のおさらいをすると次のとおりです。
- 一般住宅で被害が多いネズミは、クマネズミ
- ネズミは建物や健康に被害を出す
- ネズミ予防は掃除と整理整頓
ネズミ被害は環境を変えないと、再発するおそれがあります。
直接ネズミを駆除する以外にも、ネズミの種類を特定したり、掃除や整理整頓をしたりもネズミ駆除や予防につながります。
できるところから、ネズミ対策を始めましょう。
執筆・監修者

害虫駆除、害獣駆除、鳥害対策の現場に立ち続けて10年超のプロフェッショナル。 保有資格は、しろあり防除施工士、防除業作業監督者、職長・安全衛生責任者教育と、シロアリ駆除やねずみ・ハクビシン・アライグマなど害獣駆除関連の資格を保有。駆除して終わりではなく、大切な「家」を守るために手厚いアフターフォローで末永くお客様とお付き合いできる関係を築いている。
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